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ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ全12巻! コンプリートなフルセットで 限定1名様 《売り切れ》 ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第1巻 2LP 中世の宗教音楽と世俗音楽 解説 皆川達夫他 株式会社筑摩書房 1972年12月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行第2刷 (掲載日2011年8月19日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1 導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 東方諸教会の聖歌 Testing B-1 導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 グレゴリオ聖歌 Testing C-1 導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 グレゴリオ聖歌 Testing D-1 導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 13世紀のシャンソン ヨーロッパ音楽の歴史をひもとくにあたり、その冒頭にアラブ系地域の教会音楽というか聖歌からスタートすることの背景には、ヨーロッパ音楽が当初からキリスト教信仰と共に発展した音楽であることに加え、3世紀〜4世紀頃のローマ帝国と共に早くからキリスト教化されたシリアやアルメニアと言った東方諸教会の存在が大きいことがその要素にあるようです。また、かつて世界規模で一世を風靡したグレゴリオ聖歌の歴史的背景の解説も興味深いページです。当シリーズは全12巻合計LP24枚のスケールで追うルネッサンス・バロックの音楽の総合的な歴史集大成盤で、ヨーロッパの著名な修道院大聖堂の写真等をふんだんにあしらった解説書は複数人の識者・批評家諸氏のペンによる豪華版でさすが筑摩書房らしい編集です。中世ヨーロッパ音楽の殿堂アルヒーフからの選曲はいずれも解説書とタイアップした内容で解説書を熟読すればするほどヨーロッパ音楽とその歴史への理解が深まり、これら当時の音楽への憧憬とイマジネーションがさらにいや増す手応えが嬉しい構成。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第2巻 2LP 中世後期からルネッサンス中期までの音楽 解説 皆川達夫他 株式会社筑摩書房 1974年4月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月20日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1 導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 14世紀フランス ギョーム・ドゥ・マショー Testing B-1 導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 プルゴーニュ楽派とフランドル楽派 Testing C-1 導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 ジョスカン・デ・プレの「ミサ・パンジェ・リングア」は全曲を収録 Testing D-1 導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ジョスカン・デ・プレと同時代の作曲家達 本巻では前半で中世末期のフランス、イタリア、イギリスの音楽を概観し、そして中盤ではプルゴーニュ楽派とフランドル楽派の音楽、さらに後半ではフランドル楽派ジョスカンと同時代及びその後継者達の作品を鑑賞出来るように構成されています。後の時代に「ヨーロッパ音楽の語法」と称される歴史的かつ代表的な音楽的手法が構成された時期を2枚の音盤で一気に聴く形。当盤に添付の解説書にはこの第2巻は上記表示の通り1974年4月30日に初版第1刷が発行されたと記されていますが、このあとに続くシリーズ第3巻の初版が1973年4月25日なのが時系列的には不自然ですが、これはあとで第7巻をupする頃に何となくその疑問が解消します。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第3巻 2LP 16世紀末ヨーロッパの音楽 ルネッサンス〜フランドル イタリア 解説 皆川達夫他 株式会社筑摩書房 1973年4月25日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月21日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1 導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 オルランドゥス・ラッスス Testing B-1 導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ジョバンニ・ピエルルイジ Testing C-1 導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 ジョバンニ・ピエルルイジ Testing D-1 導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ルカ・マレンツィオ 一気に多様性を増したこの時期のヨーロッパ音楽の劇的変化の背景には当時開発された活版印刷の技術のさらなる普及と同時に、より簡素化して表記されることが普通になってきた五線譜が幅広く市民層のレベルに降りてきたこととも大いに関係がありそうです。市民階級の台頭の結果、現代の私達と同様に仕事の合間に音楽を楽しむ人が増えたことは、その時代の音楽産業に従事していた人々にとってこの上ないビジネス・チャンスだったに違いなく、楽器の製造メーカーやその職人達だけで無く出版社からは一般音楽教養の入門書等も次々発行された時代。本盤付属解説書の中では高野紀子氏の「古楽をたずねて」の項目が、当時の旅芸人が愛用したとされる笛や管楽器類から大物の鍵盤古楽器まで解説と充実。バグパイプなど吹きながら旅芸人は一体何を専門に売り歩いたのか、想像が次々脱線していく楽しみもあります。本盤も4面全部がほとんど声楽ものながら、ハーモニーの多声化と同時にメインのメロディを変形メロディが次々後を追って重なっていくいわゆる対位法の技術が一気に発展し、明らかにその前時代とは異なっていく様子が判ります。器楽演奏も笛やヴァイオリンに加えて抱えて弾くタイプの弦楽器との重奏が耳にも分厚いです。恐らくはこの時代、都市の音楽産業も一気に拡大隆盛を見たに違いなく、そんな右肩上がりの時代の高揚感と幸福感で一杯の歌。D面最終曲部分でややしつこい周回ノイズが有ります。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第4巻 2LP ルネッサンスの音楽2 スペイン・イギリス・フランス・ドイツ 解説 皆川達夫他 株式会社筑摩書房 1973年10月25日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月22日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1 導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 スペイン宗教音楽 《おお叡智よ》 Testing B-1 導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ビウエラ作品 《パヴァーナ第3番》 Testing C-1 導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 リュート歌曲 《若者と恋人がいた》 Testing D-1 導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ドイツ歌曲と舞曲 《ああエルゼライン》 美術の分野では当時世界をリードしていたイタリアも音楽的には15世紀から16世紀前半にかけては極めて不振の状態にあり、ルネッサンス期の音楽はフランドル人(現在の南ベルギー、北フランスの地域)が他を圧倒していたとのこと。意外なことにドイツもまたこの時期は優れた楽器や奏者を輩出する一方で作曲という面ではかなり後退していたそうで、後にバロックの大家J.S.バッハの登場を見るまでやや影が薄かった模様です。ちなみに識者によってはJ.Sバッハをことさら神がかり的に語るのは大げさなことであって、バロック期の後期に活躍した人物であることを考えればルネッサンス期からバロックの全期間をすべて研究した上で自己の作品を書くことが出来た彼が他を圧倒したのは当然なのだという見解も。現代で言えばロバジョンからB.Bキングまで、ブルースのすべてを愛し理解し自己のスタイルで演奏するエリック・クラプトンがギターの神様に位置づけられていることと似ているかも知れません。もとい、本作では音源をアルヒーフ原盤に特化している関係で本来重要な16世紀後半のフランス音楽を一曲もここに収録することが出来なかったことの無念さを皆川達夫氏が吐露しています。う〜ん、仕方が無い、どんな優れたセット物でも過去レーベルの壁を越えたという話をほとんど聞いたことがありません。つまりはこの時期までフランドル一色だった音楽が徐々にイギリスもフランスも頑張り始めた時期だったことの証がきっとその使えなかった音源にあったのかと察します。4面のうちふたつの面で中盤でややチリパチノイズが発生しますが概ね極めて良好なコンディションです。個人的には2面に収録のビウエラによるパヴァーナが最高で、曲のタッチがスペインっぽいですが楽器ビウエラ自体もスペインやポルトガルが位置するイベリア半島やあとはイタリアでも製造された6弦を持つギターのような弦楽器とのことです。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第5巻 2LP 初期 中期 バロックの音楽 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1973年8月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月23日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 クラウディオ・モンテベルディ 歌劇 《オルフェーオ》よりプロローグ Testing B-1 導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ジローラモ・フレスコバルディ トッカータ第5番 Testing C-1 導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 アレッサンドロ・ストラデッラ 《クリスマス・カンタータより》 Testing D-1 導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ヨハン・ハインリッヒ・シュメルツァー 6管のトランペットとティンパニーのための"騎馬バレーの音楽"から 1600年前後を境とする、ルネッサンスからバロックへの変遷ほど音楽史の歴史の中で劇的な変化はないといいます。それまでの複雑な様式美からは一転してもっとストレートな感情表現が標準となり、喜びも悲しみも例えば声の旋律は一本になったことで感情表現がより自由になった。結果、オペラの誕生はまさにこのバロック期の最も象徴的な出来事だとされています。また、当時は賛否要論だった大胆な不協和音の導入は支持派からは、そこに適度な緊張が生まれることでより劇的な情緒を引き出すことが出来るということになり、ただ美しいだけではないダイナミックな演出が流行した模様です。実際4面#4に収録のハインリッヒ・イグナー・フランツ・ビーバーの「パッターリア(戦争)」は曲の前半で不協和音を多用したあと、後半ではあのヴィヴァルディの「四季」にも通じる嵐的な展開部分があったりもします。弦が焦げそうなくらいのこのように激しい演奏は確かにこの時代になって初めてのことかも知れません。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第6巻 2LP 盛期バロックの音楽 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1973年2月25日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月24日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA' 付属解説書 A' カートンボックス A' 盤のコンディション的に音そのものの清涼さはAランクながら、4面通じて各所で若干のチリパチノイズを除去することが出来ませんでした。中古アナログ盤の場合丹念な保守作業を施してもどうしても除去出来ないノイズが残る場合があります。この第6巻はその意味で少々残念でした。それはさておきまして、協奏曲や喜歌劇、合奏曲を含むこの第6巻はバロックの盛期を捉えた構成だけにどれも沸き立つような歓喜や浮き浮きしてくる音楽成分に充ち満ちています。一方でフランスはこの時代ルイ14世の王政統治の時代で、若干23才当時のルイ14世が自身の臣下の身分でありながら超豪華な新築の城を建て王の自分を招いたことに憎悪が爆発、身分をわきまえぬほどの豪華な城を建てられたのは不正を働いていたからに違いないと決めつけその大臣をいきなり投獄、以降19年間その人物が牢で獄死するまで恩赦も与えなかったことは歴史的にも有名な話だとのことです。実にその間に着々と築城が進められていたのが、かのヴェルサイユ宮殿でした。ヒステリックで超見栄っ張りの王様が世界一の城を建てろと命じて連れてきた今でいうところの建築家やデザイナーがなんと、自身が投獄した大臣が建てた城を設計したのと同じ顔ぶれだったという事実にはちょっと笑えます。かつて招かれた城を余程に美しいと感じた事の現れかと思いますが、しかしその大臣には引き続き気持ちよく国政に尽力して貰っておいて、あとで自分の城が完成したとき、どんなもんだいエッヘンとその大臣や築城に尽力した建築家やデザイナーを囲んで乾杯するくらいの人物がルイ14世だったら良かったのになぁと思ったりもして。 Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 フランソワ・クープラン Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 アルカンジェロ・コレッリ Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 アレッサンドロ・スカルラッティ Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ディートリッヒ・ブクスフーデ |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第7巻 2LP J.S. バッハ 1 管弦楽曲 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1972年6月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月25日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv 指揮カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 オーレル・ニコレ(フルート) ハンスハインツ・シュネーベルガー(ヴァイオリン) カール・リヒター(チェンバロ) ヘーヴィッヒ・ヒルグラム(チェンバロ・コンティヌオ)他 コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 ブランデンブルク協奏曲第5番 Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ブランデンブルク協奏曲第3番 Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 管弦楽組曲第2番 Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 管弦楽組曲第3番 全12巻のシリーズ物なのに第1巻より後のセットの初版発行日の方の日付が古くなることの疑問がここで何となく解けた思いです。多分最初にこれら作品群が世に出たときは全体で何巻出すとかトータル的に中世のヨーロッパ音楽全体をカバーしようとは思っていなかったに違いありません。それ故人気の高いJ.S. バッハ作品がまず登場し、それが好調に売れたことに勢いを得てあと次々続編の企画が膨らんでいったとしたら納得です。恐らくそれらを後に全12巻のフルセットとして再構成して発売したのがまさに1975年8月30日だったと考えるとすっきりします。そのことはともかく、J.S. バッハの解説で服部幸三氏のペンは俄然熱が入り、解説という枠を超えて一種読み物的な読後感が凄い。よく知っているようで全然知らなかったんだと私は改めてこの解説を読みふけりました。好きに個々の楽曲をバラバラに聴きそしてそれら盤に収録の解説を読んでいるのと異なり、この時代のヨーロッパ音楽全体を概観する中でJ.S. バッハが占めていた位置を思いながら解説を読み聴くと、それで初めてそれまで理解が及ばなかった領域、より深部にまで耳が届く感じです。間違いなく自分が賢くなったような気がする点でこのシリーズに付属の解説書の濃さは半端ではないと感じます。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第8巻 2LP J.S. バッハ 2 オルガン曲 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1973年6月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月26日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv ヘルムート・ヴァルヒャ(オルガン) ストラスブール聖ピエール・ル・ジュヌ教会ジルバーマン・オルガン アルクマール聖ローレンス教会大オルガン コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' 本巻には歌曲の収録がないので歌詞訳詞を収録した別冊の添付はもともとありません Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 トッカータとフーガ ニ短調 Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 トッカータ、アダージョとフーガ Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 《オルゲル・ビューヒライン》より四つのオルガン・コラール Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 フーガの技法 服部幸三氏のペンによれば、ショパンのないピアノ演奏会やベートーヴェンのないオーケストラ演奏でも人は充分満足することが出来るかも知れないけど、バッハのないオルガン演奏会などあり得ない。あるいはまたバッハがこの世を去ったときテレマンが書いた詩には、(前略)〜 〜あなたはオルガンの演奏だけで既に早くから高貴で偉大であった。(中略)〜〜あなたの名は永遠に没することはないだろう〜〜と詠んだそうです。ということでバッハの本質、心髄はオルガン曲にこそあるのかも知れません。重々しく荘厳なムードの曲が多い中に妙に日常感覚が投影された感のフレーズを見つけると、もしや時代が違えば同じこのバッハがビルボードやキャッシュボックスを賑わす流行作曲家になっていたのかもなんて思ったりも。それはともかく、この時代バッハは最高の技術を持ったオルガン製造職人がどうしてもイメージ通りのオルガンが仕上がらないとこぼすと、予算をもっと増やすように教会に具申したというエピソードに触れて妥協しない人の発想はやはりそういうベクトルにいくのかと激しく共感した次第です。今時はコストだのカイゼンだのと、創る側に一種の犠牲を強いる発想が世の中を支配していますが、そんな時代に生きているから余計そう思うのかとことん納得がいくまで時間をかけて物づくりをしたという話には昔以上に感動してしまいます。日本の物づくりの技術も地球の歴史最後の日まで是非そうあって欲しいですね、なんちゃって。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第9巻 2LP J.S. バッハ 3 室内楽曲 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1972年10月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月29日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv ピエール・フルニエ (チェロ) カール・ボプツィーン (フルート) マルガレーテ・シャリッルァー (チェンバロ) カール・リヒター (チェンバロ) ラルf・カークパトリック (チェンバロ) ヘ^トヴィッヒ・ビルグラム (チェンバロ) ヘンリック・シェリング (ヴァイオリン)他 コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' 本巻には歌曲の収録がないので歌詞訳詞を収録した別冊の添付はもともとありません。 Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ 第2番 変ホ長調 Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ト短調 Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 《音楽の捧げもの》 音楽において器楽が独立して普及し始めた17世紀当時、音楽が演奏される場所はざっくりと言って三つしかなかった。一つは教会でありもう一つは劇場、そして三つ目が王侯貴族の広間であった。そしてこれら三つの場所を前提に創られた音楽様式をそれぞれ教会様式、劇場様式、室内様式といった。〜〜と語られている本書解説にて、現代の音楽カテゴリーの「室内楽」の歴史、事始めを知りました。今と違って当時は室内楽を演奏する小ホールはなく、そういった演奏会の様式はずっとあとで出来上がったと知って、う〜ん納得の瞬間です。一方でこれら音楽の劇的発展の舞台裏ではそもそもバロック芸術発展の強力な原動力となったローマ法王庁によるカトリック教会の反宗教改革運動がさらに勢いを増していた時期。当解説書の受け売りですが16世紀に入ってヨーロッパ全域を席巻し始めたプロテスタントの大攻勢に直面したローマ法王庁はより積極的に教会組織の内部改革を図ったとのことです。 当時のローマ教会はカトリックのさらなる布教に優れた芸術を絡める手法を好みましたが、宗派の中には軍隊っぽいものもあって当時のイエズス会は文字通り鉄の意志と硬い団結力を持ってルネッサンスがもたらした世俗主義や異教徒たちと闘ったそうです。当時のイエズス会による熱心な布教は世界各地、日本にも及び今この時代の日本のイエズス会の基礎を形作ったと知り、ほんとに歴史は1本の長い糸だと痛感。しかしカトリックがプロテスタントと当時何故そこまで対立したのかとネット検索してみたところ、一言で言うとローマ法王庁というかカトリックの場合は神を頂点に信者は人間というか平民であって教会はその上に位置する権威の象徴。一方プロテスタントは教会とはあくまでも人間が作った人間のための組織であり発想が民主的、そこには上に君臨する権威という象徴はない。〜〜という点で、確かに根本から思想が違うようです。 そのことはともかく、ローマ教会のみならずプロテスタント側の勢力も例えばドイツ・プロテスタントはこと教会音楽に関して相当に力を入れた模様です。両勢力とも今でいうところの広報活動や販促活動に優れた芸術と音楽家達を総動員してあたったとのことで、共に潤沢な資金で次々新曲を音楽家達に書かせそれを次々各地の自派の教会で演奏することで新しい信者を開拓していった様子を想像します。確かに素晴らしい芸術作品や感動的な音楽は人の心を根こそぎ洗濯してくれる効果があって、特に宗教と直結した場所で宗教を象徴した芸術作品に感動した瞬間、いきなり信者になってしまうということは過去沢山あったのでしょうね。互いの切磋琢磨の目的が信者の奪い合いとはいえ、結果優れた芸術を生み出す土壌が分厚い層として拡大したことはとても良かったような気がします。時は移り、この現代では演奏者や指揮者が何教の人であるかとかあるいは無宗教でも平気でカトリックやプロテスタントの宗教作品を演奏したり指揮棒を振ったりする時代。そういう時代に生まれてほんとに良かった(笑)、余分なことを考えずに純粋に音楽に没頭したり感動したり出来るって、とっても贅沢で幸せなことだと改めて感じます。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第10巻 2LP J.S. バッハ 4 声楽曲 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1973年12月25日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月30日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤は4面ともA 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 ミサ曲ロ短調 Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ミサ曲ロ短調 Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 《心と口と行いと生活をもって》聖母マリアのご訪問の祝日のカンタータ Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 《お静かにしゃべらないで》コーヒー・カンタータ バッハの書いた宗教音楽がドイツ・プロテスタント教会の礼拝で多用された歴史的事実と、一方でバッハ自身の宗教観はどうだったのだろうというテーマが今も学者の間では研究材料になっているらしいのですが、単純な音楽好きとしてはそれが研究の結果バッハの宗教観がどう評価されるのかといった事とは関係なく、ミサ曲やカンタータを聴いて純粋に感動する衝動は抑えようがありません。全くの無宗教の私でもこれらミサ曲の合唱を聴くとふと涙が滲んできたりします。一体何が悲しいのか、いや悲しいのではなくて純粋に美しいものに触れると何だか泣けてくるって言うあの感覚。人間とは全く不思議です。 それはともかく、それまで千年以上もの間西欧世界を支配してきたのはローマカトリックだったのに、16世紀に入ってわずか30年間でプロテスタントの教派が時代を席巻、その新興勢力の中の主要な宗派としてはマルティン・ルターの宗教改革運動に起因するドイツ・プロテスタントと、ヘンリー8世の発布した首長令によってカトリックから離反したイギリス国教会、そしてカルヴァンの福音主義を柱とする改革派の教会という三つの流れがあったそうです。この三つのムーウメントの中でドイツ・プロテスタントだけが今日に残る優れた宗教音楽作品を多数生み出したことの背景には多分にマーティン・ルターの教義にあったらしく、ルター曰く音楽は神学に次ぐ神からの素晴らしい賜り物でありそれはとても優れたものだとする考え方がバッハたちの活動をより促進した模様です。バッハの色んな作品のタイトルにもそれは反映されていますよね。 現代でもほとんどの教会でそれぞれ聖歌や霊歌を、中には今の時代のスタイルに合わせて歌っていますけど、ラジオも蓄音機もなかった中世のこのバッハの時代の人々(普通の市民たち)は、教会でのみ大規模な合唱や演奏を聴くことが出来た訳でやはりその時間その空間は大変に神聖な場所になったに違いありません。一週間の垢を日曜のミサで落とす、これなしに人々は自身が清められないと信じていたのだと思います。そういった人々にとってのキリスト教というのはもしかすると生活のすべてだったのかも知れません。そのことはともかく、これら沢山の宗教曲を書く一方で宮廷楽長として宮廷の人々の暮らしに彩りを添えるための沢山の協奏曲やチェロ曲、ヴァイオリン曲も書きました。この時代、次々迸るバッハの音楽への情熱が今も多くの音楽ファンが日々の生活を楽しむ糧として、レコードとしてCDとして実に豊富に世界中に行き渡っている様を果たして彼は想像し得たでしょうか。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第11巻 2LP ヘンデル テレマン 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1972年8月30日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月31日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv アウグスト・ヴェンツィンガー 指揮 バーゼル・スコラ・カートールム合奏団 他 コンディション 盤は1〜2面がA 3〜4面がA' 付属解説書 A' カートンボックス A' 本巻には歌曲の収録がないので歌詞訳詞を収録した別冊の添付はもともとありません。 Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 ヘンデル《水上の音楽》 Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 ヘンデル《水上の音楽》 Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 テレマン《水上の音楽:ハンブルクの潮の満干》 Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 テレマン《忠実な音楽の師》 家柄的に代々音楽家を育んできた家庭に生まれたJ.S. バッハとは異なりヘンデルとテレマンは共に普通の家庭に生まれて後に音楽家になった点で、例えばテレマンが好んで小編成の楽曲を譜面に起こし市民達がいつでも自身の家庭内でホームコンサートを開けるようにしたとか、作曲の段階から目線が全く違うことを知りました。不思議なことにヘンデルもテレマンも共に法学部に身を置く学生だったのに教会専属のオルガン奏者として活躍する間に音楽の才能を認められたという点でよく似た経歴が印象的です。時代が今とは異なれど、将来弁護士や検事の仕事が待っている(多分)学生が一転して音楽家の道を行く決意をした背景にはやはり次々湧き出る音楽への情熱や憧憬がそこにあったに違いなく、やはり人は自分の好きなことをやってこその才能開花なんだなと改めて感じました。 いやしかし、確かにテレマンはフルートとチェンバロだけとか、オーボエと歌(ソロ歌手)とチェンバロだけとか、一軒の家の家族だけで直ぐに一緒に演奏できそうな、それもメロディーが覚えやすい取っ付きやすい曲を沢山書いていることを改めて感じます。今のこの時代でも特に20世紀には演歌業界がカラオケの隆盛に乗ろうと一般の人たちが歌いやすい曲作りを心がけて文字通りカラオケも本人の歌も共に爆発的なヒットが次々生まれた時代がありました。ましてこのテレマン達の時代はTVもゲーム機も携帯もない訳で、音楽好きの市民が自分の好きな楽器に打ち込んで練習したり上達しやすい環境にあったことと思います。特にリュートなんかはギターと同じ感覚で若い人にも一大ブームになっていたのではと想像したり。 Disc1はコンディション良好ですがDisc2は若干導入溝でノイズが多いです。 |
ルネッサンス・バロックの音楽 Musik Der Renaissance Und Des Barock シリーズ第12巻 2LP 古典派への道 解説 服部幸三他 株式会社筑摩書房 1974年2月25日初版第1刷発行 本商品は1975年8月30日発行初版第2刷 (掲載日2011年8月31日 収納棚 ルネッサンス・バロックの音楽 ) レコード制作 ポリドール 原盤Deutsche,Archiv コンディション 盤A' 付属解説書 A' カートンボックス A' Testing A-1導入溝からA面1曲目のコンディションを試聴可 カール・フィリップ・エマニューエル・バッハ Testing B-1導入溝からB面1曲目のコンディションを試聴可 フリードリッヒ大王 Testing C-1導入溝からC面1曲目のコンディションを試聴可 フランツ・クサーヴァー・リヒター Testing D-1導入溝からD面1曲目のコンディションを試聴可 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト このD面1曲目はグラスハーモニカの音で、適度に水に濡れたガラス皿を 1オクターブ12個で3〜4オクターブ分を用意しそれを水に浮くようにして 水槽にならべるのだそうです。それぞれの皿には心棒が通してあって 足踏み式ペダルを踏むことで皿が回転し、あとは指でそっと皿に触れると 音が出るという仕掛けです。私はまだ実演を見たことはありませんが。 J.S. バッハとヘンデルが相次いで亡くなった1750年代から次にモーツァルトが登場するまでにおよそ半世紀の隔たりがありました。バロックの落日と古典派の曙、その50〜60年間の間を谷間と人は呼ぶけれどその谷間は決して日の差さない暗い谷間なんかではなかった〜〜という解説書の件が印象的です。谷間の花という副題を持つ服部幸三氏のその解説には続けてこの時代のフランスとイギリスの音楽事情も触れられていて、例えば1725年頃のフランス(ルイ15世の時代)では音楽はまだ王侯貴族だけのもので一般市民はそれこそパンくず程度のおこぼれしか音楽に接する機会はなかったらしく、たまに開かれる演奏会も王様の許可無しには開催できず、しかもフランス語の歌は歌ってはならぬという妙な規則もあったらしい。それはほんとに奇妙な規則です。 一方イギリスではそれ以前からもっと自由で、それこそ定期演奏会の客集めに新聞広告を使ってもいたとのこと、今と全く同じ販促感覚ですよね。17世紀後半にはとても豪華な劇場で一般のロンドン市民が普通に音楽に接していたという話はフランスと比較すると天地ほどの差を感じます。余談ですが日本は1639年から1854年までずっと鎖国していたので雅楽以外にはせいぜい城で催されたお殿様の宴程度の演奏会くらいしかなかったのでしょうね。あるいは庶民は芝居小屋で音楽に触れる機会があったかもですが。 ともかく音楽家達にとっても自分たちの音楽を何としても聴きたいと気持ちが熱してきた多くの市民達を前に、いつまでも宮廷用の専属音楽ばかり作っていることに飽きてきて当然、音楽愛好家である一般市民との交流の中で全く新しいアイデアやエネルギーを逆に貰ったりする機会もあったかも知れず、そういった潮流が音楽界全体をバロック期から古典派へと導いた模様です。いわゆる時代のニーズというやつですね。ここでふと想い出したのは、かつて1990年にミシシッピーに旅した際、ブルースマン ユージン・パウエルの弾き語りを自宅で聴かせて頂いたあと、当時10代だったご子息に会った際、何故キミはブルースではなくヒップホップが好きなの?と訊ねたところ、彼は少々父にはにかみながら、ヒップホップの方が断然かっこいい(so cool)と言って微笑んでいた姿です。当時から既にミシシッピーでもストリートミュージックは断然そうだったに違いなく、若ければ若いほどチャンネルの切り替えは早いかなと思った次第です。でもバロック音楽が今でも多くの人々に愛されているのと同じで、弾き語りスタイルのブルースも永遠に音楽ファンの心に残る音楽であることに間違いはありません。 ということでシリーズ全12巻、保守と試聴と学習を兼ねて全24枚のディスクを完全試聴しつつ解説書を読破した感想は〜〜 その音楽が創られた当時の大局的な世情や政治的な方向性といったものとは一切関係なく、当時初めてその音楽を聴いて感動した人と同じ気持ちを今この瞬間再びまた私達が感じたり受け止めたりすることが出来る点でレコードや出版物のありがたみを改めて強く感じました。このように素晴らしい企画作品はそれをとても大きな心で愛し理解しそして伝えようとする編集者や批評家やあるいは音楽愛好家の熱意がないと成し得ません。それがどれだけヒットした曲であれネットから音だけダウンロードした曲を携帯メディアで楽しむと言ったライフスタイルだけでは逆立ちしても一生味わうことは出来ない大きな感動です。いえ、それは何もこういった企画物でなくてもたった1枚のレコードやCDでも全く同じです。何十年後かに聴いてまた同じように感動できる音楽をどれだけ持っているかでその人の人生の後半の成熟度が決まると言っても過言ではないと思います。あらためて当時のこれら制作者の人々に感謝しつつ、それがまたこういった中古アナログ盤を扱う動機とエネルギーになっているような気もします。ショップは優れた作品をリサイクルするのが仕事、そしてお客様はそれを買って聴くのが仕事です!なんちゃって。m(_''_)m |